J-Brain Cargo®
J-Brain Cargo®とは
脳は、血液脳関門(blood-brain barrier: BBB)と呼ばれるバリア機構により保護されており、この関門が薬を届ける際の大きな障壁となっています。J-Brain Cargo®とは、JCRファーマが独自に開発した血液脳関門通過技術であり、脳の血管内皮細胞表面に発現するトランスフェリン受容体を利用して、脳および脊髄といった中枢神経系組織への薬の送達を可能とします。
基盤技術であるJ-Brain Cargo®が拓く未来
ライソゾーム病へのアプローチ

ライソゾーム病は、特定の酵素の欠損または機能の低下が原因で発症する希少疾病であり、その多くは重篤な中枢神経系の症状を呈することが知られています。JCRファーマでは、ライソゾーム病の一種であるムコ多糖症II型に対して、J-Brain Cargo®を適用した酵素の医薬品を開発し、日本で製造販売承認を取得しました。これは、血液脳関門通過技術をヒトで実用化した世界初の事例です。
現在、17種類を超えるライソゾーム病に対して、J-Brain Cargo®を適用した新薬の研究開発に重点的に取り組んでいます。
多様な創薬モダリティへの応用

J-Brain Cargo®は、酵素や抗体をはじめとしたタンパク質はもちろんのこと、核酸、脂質ナノ粒子、そして遺伝子治療や細胞治療など、様々な治療手段(モダリティ)へと応用が期待されます。つまり、単独では脳に届かない薬、もしくは脳への送達効率をさらに改善したい薬などに対し、J-Brain Cargo®はその課題を解決する可能性を秘めています。
希少疾病以外の疾患への展開

JCRファーマでは、J-Brain Cargo®をまずライソゾーム病という希少疾病領域の分野で実用化し、現在も複数のライソゾーム病に対してJ-Brain Cargo®適用品目の臨床開発を進めています。多様なモダリティに応用できるJ-Brain Cargo®はまさに創薬の基盤技術(プラットフォーム技術)であるため、希少疾病のみならず、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患や、神経炎症性疾患、神経腫瘍といった様々な疾患に対する展開も期待されます。JCRファーマは、それぞれの分野で最先端の技術を有するパートナーとの協業を積極的に推進しています。